身土不二

遺伝子組み換え作物と日本農業

農水省は、二月末までに国の研究機関(独立行政法人など)に対し遺伝子組み換え作物の屋外実験栽培の指針を通達しました。周辺の農地からイネは二十メートル、ダイズは十メートルの距離をとれば実験栽培が認められます。しかもモンサント社やバイオ作物懇話会など民間の試験栽培は対象としておらず、農水省は能天気に「これに準じて行うのではないかと期待している」と述べる有様です。
日本に組み換え遺伝子による種子汚染が引き起こされることを農水省自ら許し、大豆のように組み換えでないことが国産支持の大きな理由になっていた国産作物の優位性を貶め、また消費者の選択権を奪おうとしています。
日本は自給率のきわめて低い、世界一の食料輸入大国です。唯一自給している米の関税削減がWTO交渉の議題に上っています。関税は順次引き下げ将来はゼロにすることになっているので、このままいけば遠からず輸入米が当たり前になり、国内の水田は消える日が来てしまいます。 

日本有機農業研究会 安田節子

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