荒木元会長の死を悼む

当研究会の第三代会長、荒木信悟様が8月3日に亡くなられました。ご病気ということも知らなかった私は訃報に接し驚愕いたしました。ここ数年はお会いしていませんでしたけれど、相変わらず空手の指導や地域のお世話等を、元気にやっていらっしゃるとばかり思っていました。
 顧みますと荒木会長は、一九八七年から一九九四年まで会長の任に充たられました。その間、私達会員にも近代農業がもたらした弊害を憂え、有機農業の大切さを説き教えられました。「有機農業とは、単に農薬を使わないだけではない、又、堆肥を入れればよいという作り方のみを目指しているのではない。自然を守り生き物の全てが、健全な環境の中で育まれていくようにする事である。それは生活を見直し、人間の生き方を問う運動でもある」と教えられました。
 平成6年九州山口有機農業の祭典が熊本で行われた時も、荒木会長自ら会場の植木町宮原温泉に何回も足を運び、手作り料理を持ち込ませてもらうよう交渉され、立派に手作り料理持ち寄りで大会が行われました。これも生活の見直しを訴えておられた会長の意志の現れだったと思います。
 その他、平成元年には韓国有機農業と交流を行い、当会からも十数名が訪韓。交流を実現させられました。また、会の会計年度を農閑期に総会ができるよう変更されたり、常に会の運営やあり方にも気配りをしておられました。
 やさしい一面と強い信念を併せ持った方だったように感じております。もっと長生きををして、後輩の相談相手になって頂きたかったと残念でなりません。ご冥福をお祈り致します。
 熊有研理事 田上知事子

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