身土不二

農山村がその重要性を増してくる時代へ

野口 慎吾

 今年から熊有研の認証の検査員としてお手伝いをさせて頂く予定ですが、これまでの経緯と現在の大学院での研究とを絡めて、青年の主張、新年のご挨拶をさせて頂きます。

 地球緑化の会というNPOに所属し、東アフリカに5年ほど滞在して、植林や稲作の事業に携わる中で、特に生まれ育った所が旧矢部町という事もあり、アフリカの農村で経験する色々な物事を日本と対比して考えるようになりました。
 日本の農山村地域は将来見通しの暗いものとされていますが、日本の特に農山村の自然・人・文化の景観は世界的にも最も美しいのです。日本の文化や気候・自然環境もその存在を基盤として成立しており、食糧生産も含め、将来にわたって大切にして行かなければならないと実感しています。
 欧米では田舎暮らしを求める人口移動が始まっており、21世紀、本当の成熟社会を創り上げる中で農山村の存在が必ずその重要性を増してくると思われます。したがって、大学での研究ではそのような展望をもって、農山村の素晴しさを当該の農山村居住者自身で再発見し、同時にそれ以外の人々にも広げることをテーマとしています。
 自然豊かな日本に生まれた日本人としての自覚を持ち、大学での研究及び実家でのアイガモ稲作に加え、有機的な人のつながりを求めて、熊有研の活動にも取り組みたいと考えております。最後になりますが、皆様方の更なるご活躍を祈念致しますと共に、本年もよろしくお願い致します。

INDEXへ / TOPへ