菜の花プロジェクト 天草研修
「菜の花から菜種油へ、食廃油からBDFへ」

本渡研修で各地交流の一歩を
「BDFと菜の花プロジェクト」の今年の大きな目標は、プロジェクトを定着させ広げることです。そのために、すでに3年前から地域や学校を巻き込んで「菜の花プロジェクト」に取り組んでいる本渡市へ、交流をかねた先進地視察に行って来ました。 総勢24名。熊本市の廃棄物計画課や山鹿市平小城地区(平山温泉)の菜の花栽培グループ、菜種圧縮絞りの堀内製油からの参加もあって、交流の第一歩を踏み出すことができたのではないでしょうか。

報告・有馬 亮
1 天草市清掃センター
 本渡市(現天草市)は、地球にやさしいまちづくりの一環として、菜の花プロジェクトをはじめました。廃食油の回収の方法は、一般家庭からは資源物のステーションに回収タンクを置いて、月2回の収集日に回収し、公共施設では学校給食センターから出される廃食油をリサイクルセンターに集めます。BDFに変換後、公用車(給食配送車、ごみ収集車、移動図書館)、リサイクルセンター内のフォークリフトで利用。 問題はBDFの副産物としてグリセリンです。その処理費用がかさんでおり、その費用は年間80万円にものぼるそうです。これはBDF製造に係る費用の5割強となってます。また、BDFの製造量が使用量を上回ってしまい、産廃として処理してしまうなど、ちょっとおかしな問題もあり、それを解消するためトラクター等の利用を考えてモニター試験中です。

2 宮地岳営農組合
 菜の花の作付面積は30ヘクタール。汎用コンバイン(※)で刈り取るため、ばら蒔きで背丈も50センチくらいと小さめです。研修時はすでに花も散り、5月の初旬には収穫ということでした。収穫後は、営農組合が農家から菜種を買い取り、天草市の補助で導入した搾油機で搾油し、「地域で採れた油」というブランドで売り出そうと考えています。また、地域の小学校の授業に菜の花栽培を組み込んで、環境と食農教育に取り組んでいるのが素晴らしかった!

※注・汎用コンバイン 色々な穀物の収穫に使うことができ、菜種の収穫もできる。ただ高価なので、菜種の収穫は手刈りでやっているところが多い。