第二回通常総会 特別講演  
日本農業の再生と有機農業 講師・徳野貞雄(熊本大学文学部教授)

2002年3月30日、産業文化会館にて第二回通常総会が百余名の参加で成功裡にとりおこなわれた。
今年度の予算、各部会の方針等が採択された後、徳野貞雄氏の記念講演。

聞き終わっての感想。「いやあ凄いパワーだった・・そして長かった・・」
文学部の農学者として名高い徳野先生の講演は、農政への過激な批判から始まった。「行政も農協も学者も作ることと稼ぐことしか考えとらん。あんた達生産者のことも、本当の農の価値もなーんにも考えとらんのよ」。「 いや全くそのとおりだ」思わずうなづく参加者たち。法律や制度やわがままな消費者にふりまわされてきた生産者は、講師の話にドンドンひきこまれていく。
消費者といってもみんな同じじゃない。これまで農政やJAが相手にしてきた消
費者というのは、農の価値もわからずに安さだけにとびつく『どうしようもない』消費者だった。
これからあんた達が本当に相手せにゃならん消費者というのはね、農の価値をわかってお金をはらってくれる『期待される消費者』。全国では千二百万人はいる。有機農業っていうのはね、そんな『アンタの消費者』を見つけさえすれば充分やっていける。金もうけ以外の、暮らしのゆとりにまで広げられる奥行きを持っているんや。もっと自信もたんといかんよ」
大きなお腹をゆすりながら、圧倒的な迫力で参加者にズバズバと問いかける徳野先生。予定時間を過ぎても話は白熱し、とどまるところを知らない。それでも話は本当に面白かった。
聞き終わった参加者たちは何だかスッキリした顔をしていた。今回の講演会は、こうしてみんなにカタルシスを与えてくれたようだ。
ありがとう、徳野先生!

橋本記

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