第2回ジャンボタニシフォーラム

九月七日、天明コミュニティセンターで「第二回ジャンボタニシフォーラム」が開かれた。稲を食い荒らし、短期間に異常なほど増殖し、毒々しいピンク色の卵をまきちらすジャンボタニシ。今ではすっかり嫌われ者の代表になってしまった。しかし発想を変えれば共存も可能では、ということで開かれたのがこのフォーラムだ。
 会場となった天明地区では、二十年ほど前にはいってきて稲に相当な被害を出した。一斉駆除をしようとしたが繁殖力が強く困難だったので発想を転換、十四年ほど前から除草に利用するようになったという報告があった。
 続いては、「環境稲作」を提唱している宇根豊氏の講演。ジャンボタニシは除草剤を使わず、しかも地力を回復する働きをもつが、その管理が大変。そこで「田んぼの土の面をなるべく均一にして、浅水管理をきちんとすれば、稲に被害を与えることなく除草ができる」という実践例が紹介された。
 そのあとは、福岡の糸島地区や八代でジャンボタニシ除草法を実践している農家と宇根氏とのパネルディスカッション。会場にはジャンボタニシの被害に苦しむ県内の農家が多数参加しており、熱心な質問が飛び交った。
 「彼らがまだはいってきていないところに、安易に導入することは厳に慎むべきだ」というのがパネラーたちの共通の認識だ。彼らが生態に与える影響ははほとんどわかっていないからだ。あくまでこの方法は、彼らが侵入してしまっているところでの「とりあえずの処置」であることも付け加えられた。
 すでにあちこちでジャンボタニシの導入に関するトラブルが発生している。農村のような共同体では「独断専行」は最も警戒されること。どんなに高い除草効果をもつ彼らでも、その導入にはできるだけメンバーの合意を得るような努力が必要ではないだろうか。
 シンポジウムのあと、ジャンボタニシを田んぼにいれて実際に除草をさせているところを見に行く。除草剤を使っていない田んぼの上では、ツバメやとんぼが群がって虫を食べていた光景が印象的だった。
(広報部 橋本博)

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