安い輸入有機は買えても、環境は買えない!有機の国際化を迎えて!

90年代は有機農産物が世界的に認められた時代と言えるかもしれない。例えば、有機農業の割合を2020年までに20%にするという目標をたてたドイツではベビーフードのほぼ100%が有機農産物で作られているほどだ。しかしこの動きは必ずしも、各々の国内の有機農業を育てることにはつながっていない。
 まず、有機農産物輸入国を見てみよう。
イギリスは皇太子自らが有機農業を実践するほど有機への意識の高い国だが、有機農業推進政策は消極的で、国内有機農産物の消費の七〇%を輸入に頼っている。そして輸入農産物は確実に国内の小規模有機農家を脅かしている。
 次に、有機農産物輸出国の場合を見よう。中国では有機農業を政策的に進め、2000年現在で有機認証された有機農産物は200品目、20万ヘクタールという。これは日本の有機農業耕地を遙かに越える量である。しかし、中国国内の有機の消費は少ない。完全に輸出専用の商品作物である。輸入先は主に日本、米国、欧州。
 これに対して、有機農産物の「国内での生産と消費」という、有機農業本来の形を政策的に進めているのが韓国でありキューバである。韓国では「身土不二・農都不二」をスローガンに都市住民の環境教育と共に有機農業を政策的に推し進めている。
 日本はどの道を歩むのだろうか。消費者は安い輸入有機農産物を求めるのだろうか。有機農産物の国際化が始まった今、国内の有機農業を推し進めるための政策を行政に求め、「身土不二」の道を消費者と共に歩んでいくことがさらに大切になってくだろう。
共に手をたずさえて!文責・間澄子

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