身土不二

昨年の春、大阪の惣菜加工の会社を訪問したとき皮を剥いた丸い里芋、形のそろったレンコンが多量に置いてあった、工場担当者に聞いて見たら、「これは量販店(スーパー)用に中国から輸入した物です」との事。中国では人件費が安いせいか、若い女子工員が大勢でスプーンみたいなものを持ち、里芋の形を見ていかに早く丸い里芋を作り上げるかを競い合うとの事。出来栄えは検査員がグループごとに検査をして少しでも形が悪ければ全部やり直しさせられる。レンコンも大きさ、形が見事な程、整って入るのには驚かされた。中国では日本からの規格が厳しく指導されているらしい。価格は里芋にしろレンコンにしろ一キロ百円以下で入荷するとの事。私が納品しているレンコンは一キロ四百円を超えている(デパート用)
 有機JAS法の施行により、今まで信頼関係で成り立ってきた提携運動の中でも、有機JAS認証を取得しなければ有機栽培をうたえなくなってきた。有機JAS認証を取得した生産者も、経費がかかる割には収入が増えるわけではなく、現実は厳しいと言うのが本音だと思う。今まで提携を中心に有機農業は持続(発展)してきたが、生産者から作付けや出荷に対する不安をよく耳にする。熊本は生産県なのだ。有機農業を広める為にはいろんなジャンルがあっていい。生協、自然食品店、デパート、スーパー、レストラン、学校給食、弁当関係等。生産者もそれぞれ、色々な所と接点を持ち活躍されてるのが実状と思うが、今一度市場性も見据えて検討する時期にきてるのではないだろうか。有機農業の世界が今後どのように発展(変化)していくか楽しみにしたい。

九州有機の里・蓑田友宏

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