地球温暖化の影響?
もういい、大型台風!

度重なる台風上陸と秋の長雨が、農作物に大きな影響を及ぼしています。秋・冬野菜は出荷量が大幅に落ち込み、価格 は高騰。スーパーでは小さなキャベツが1個500円で売られているところも。
 地球温暖化というと「まだまだ遠い未来の話だろう」と思っている人が多いかもしれませんが、自然を相手の百姓の実感はどうでしょう?畑の環境がここ数年変わってきた、虫がぐんと増えた、見たことのない虫もいる、作付けの時期が昔からの季節暦とカンに頼れない、等々、気候変動を肌で感じていませんか?
 「地球温暖化 ー農家だからできることー」という小雑誌が、環境省地球環境局から出版されました。そこで書かれていることは、百姓が日々感じている気候の変動そのものです。台風についても、今年を予言するかのように、大型で強い台風が増えると書いてあります。今後110年の間に、低くても1.4度、高ければ5.8度ほど気温が上がると予測されるそうです。
 農業は地球温暖化に影響を受けますが、地球温暖化に対抗する切り札でもあります。自然と共存することで、空気や水、生物の環境を作りだしているのですから。はやりの言葉で言えば、農業の多面的機能といわれるものです。有機農業が自然や気候に順応し、共存してきた農業の知恵が今ほど求められているときはありません。

被害状況

▼生産者に今被害状況を問い合わせているけれど「こがん事てありまっしょうかい」と、おばあちゃん達からため息が返ってきました。特に高地では秋作のやり直しがきかない時期に台風に3回もやられたので、半年分の収入がなくなったという状況です。イネは単なる干魃ならば有機のお米は強いという年もあったのだけれど、台風ではどこもここも倒れてしまって、その上雨が続き品質的にも良くないとのこと。根ものはどうにか大丈夫(人参はダメでした)。とに角めげないで頑張ってほしい!!
いのちと土を考える会 川添紘子 談

▼天草のミカンが一番ひどいようだ。500〜600本の木のうち150本が根こそぎ倒れ、残った木も落果50%という農家もある。ほとんどの農家のトマト、ナス、キューリは全滅。秋作の人参、インゲンなども芽が出たばかりで風に引きちぎられ、収穫はほとんど望めない。根ものの芋類、蓮根、ゴボウは残った。生産者は有機農業の原則の多品目生産をしている人がほとんどなので、根もので出荷できるものも有り、なんとか元気です。  
くまもと有機の会 飯星幹治 談

▼ゴボウは葉が吹き飛ばされて、大きくならん。人参は5反も植えて、収穫は1割だろか?どがんしようもなかもん、そのまま様子ば見よるたい。お米の収量は7割程度の被害ですんだごたるばってん、実が入る時期の倒伏で、品質は最悪。台風のあとの長雨で、稲の穂から芽がでて、本葉がでてしまったのもあっとよ。 
愛農会 吉見孝徳 談

▼北海道にはめったに台風は来ないし、来ても風は弱いので、ハウスは紐を締め上げるのが今までの台風対策でした。それが風速45Mという今までにない強風が吹き荒れ、ビニールを締め上げたハウスはパイプが曲がり、壊滅。作物はナシ、ブドウ、リンゴなど果樹農家の被害がひどい。ナシは全て落果して全滅と聞きます。(川上郡内での被害総額60億円と公表)
北海道有機農業生産者 福山恵子 談

Back...