身土不二

地域からの食育

 「食育」国民運動の主催事務局として

「食育」を国民運動として推進するための「食育基本法」がこの今国会で審議・成立の見通しです。この国民運動としての「食育」は、農水、厚労、文科の三省連携で進められていますが、農文協は「食育」の全国推進運動の主催事務局として、以下の事業を展開しています。
1、 地域に根ざした食育コンクール2004(応募終了。応募締め切り11月15日)
2、 ニッポン食育フェア(第2回食育総合店・平成17年1月15日から16日東京国際フォーラム)
3、 食育実証研究助成2004(応募終了。200万円を上限に研究費を助成)
「食育基本法案」で評価したいのは、基本理念の中で「地域の多様性と豊かな味覚と文化の香りあふれる日本の「食」が失われる危機」を表明し、地域に根ざした食という視点を強く打ち出しています。

 食の根源は農にあり

「地域に根ざした食」を推進する「食育」は、地域教育のカナメとして「食農教育」(地域の食・農・暮らしを一体のものとして学ぶ)に発展させなければなりません。農文協は平成8年に「食農教育」という名前の雑誌を発行。教育関係者と農林漁業関係者が相互に連携して「食農教育」を進める運動の先頭に立ってきました。農文協は、食育の重要な柱は「食農教育」だと考えています。食べものはいのち、食べる側もいのち。いのちを育てる農があって、いのちを養う食があります。

身近な自然と人を思う「地域の食卓」の取り戻しを

各家々から持ちよった大皿料理をぐるりと取り囲み、一人ずつ小皿にとって隣人に回して食べる「取り回し料理」。その一つ一つに自然と食材と家族と地域を思う物語が詰まっています。その物語が子どもたちに味とともに伝えられて行く場。「地域の食卓」。そこは互いの食の知恵を持ち寄り楽しむ場であるとともに、子どもたちに地域の食を伝える場でもあります。「ないものねだりではなくあるものさがし」の地元学が未来をひらき、小さな村には希望があります。

      (社)農山漁村文化協会 九州沖縄支部 石橋 博雄

Back...