有機農業リサーチプロジェクト No.009

間司さん

坂本 邦雄さん

食べ物による健康を意識した
有機農業を実践

水稲、れんこん、その他、多品目の野菜を有機栽培で生産している坂本さん。健康のためには食べ物が一番大事だと、農薬、化学肥料の使用をやめ、安全でおいしい食べ物の生産にこだわってきた。近年は、さらに、栄養価、とくにミネラル分に注目し、生産、販売を行っている。
常に情報のアンテナを張り巡らせることが、生産現場における課題の克服や新しい販路開拓につながることを教えてもらいました。

<栽培品目>
◆年間生産計画 年間生産計画 上記以外に、ホウレンソウ、人参、カブ、南瓜など約25品目を栽培。全て、有機栽培。

<ほ場環境>
標高400m前後の中山間地に位置する。圃場の土質は、どちらかというと火山灰質である。

<土づくり>
土づくりに使用する堆肥については、町内の養鶏場から鶏糞堆肥を購入し、使用している。(大矢野原農場、鶏糞とバークチップを発酵させた堆肥)

<施肥>
1.自家製のボカシ
  材料:米ぬか、魚のアラ(スーパーからもらってくる)
  作り方:地面の上で、米ぬかと魚のアラを混ぜ合わせる。魚の汁が出るので、水分はほとんど加えない。2か月の間に、3回から4回切り返すと使用可能になる。
  使用方法:元肥、追肥。
2.購入資材
  ジャパンバイオファームから購入。状況に応じて使う。ミネラル分の追肥を意識して行っている。
  ・オーガニック853、オーガニック742
  ・アイアンパワー、マンガンパワー
  ・古代天然苦土、マグキーゼ
  ・アミノバード

<種>
有機種子の購入はない。自家採種を行っているのは、水稲、ジャガイモ、里芋、大豆、小豆、南瓜、キジ豆、れんこん、しょうがなど。水稲の種取りは、できるだけお米らしい穂を摘み取るようにしている。

<苗>
水稲、レタスなど自家育苗の苗を使用する。
水稲は、育苗箱に肥料を入れず、山土のみ。苗床に、オーガニック742などの肥料を施肥する。
野菜用の育苗に使用する用土は、山土と鶏糞堆肥、自家製ボカシなどを混ぜ合わせて自分で作る。配合の割合などは、「勘」に頼っている。

<雑草対策>
太陽熱処理は、土地が空いたらいつでも行っている。主には雑草を抑える目的で行う。ハウスビニールを使用し、特に鶏糞など入れずに行うことが多い。雨上がりで、水分があるときに被覆する。
水稲、れんこんの除草は、ジャンボタニシにまかせている。おおよそ1割から2割ぐらいが越冬する。

<病害虫対策>
れんこん
害虫としてはアブラムシが発生するが、特に対策は取っていない。平たん部に比べると中山間地のため、発生がそれほどひどくないので、放置している。
近頃は、カモが年中飛来し、れんこんの芽や根をかじるので、テグスなどをはったりしているが、それでもやられることがある。
水稲
いもち病、害虫に強い品種(ハルモニ、九州農試)を作っている。以前から、いもち病に強い品種を探していたところ、農業新聞で知り、3年前から栽培している。
収量、味はヒノヒカリ並みで、確かにいもち病、害虫に強い。JAの指定品種でないため、通常の販売は難しいが、自家用、直接販売のため問題ない。
  一部、葉物野菜については、防虫ネットを使用。微量要素、ミネラル分を投入することで、病害虫
を防いでいる。

<流通・販売>
いくつかの業者さんを通して、県内、九州、関西方面へ出荷している。
販路開拓は、口コミや業者さんとの出会いによる。
業者さんと出会う機会は結構あるので、何が売れるのかをリサーチし、売れるものを作るようにしている。同様に、バッティングしなければ、知り合いの農家からも売り先は紹介してもらえる。
販売に際しては、有機であること(JAS認証もとっている)、安全性、味をアピールしている。特にれんこんは、山間地で作るため味が良いので、受けもいい。

リストページに戻る>>