アイガモとジャンボタニシで安定生産

東さんは、湯前町MOA自然農法研究会の皆さんから勧められて有機農業の世界に入ったといわれるが、持ち前の明るい人柄と熱心に農業に取り組む性格から、アイガモやジャンボタニシの長所短所も知り尽くし、米麦の安定生産を確立しておられる。有機JASの認証も受けられている。
米作については雑草の問題はなくなっているが、畑作の麦や雑穀の雑草対策が一番の問題で、この克服が今後の有機農業にとってのポイントだと指摘された。
高齢化する周辺農家の中から、水田を借りてくれないかとの申出もあるし、今年から、後継者の就農もあるので、今後は生産技術の引継ぎと規模拡大に向けた取り組みも考えられるだろうと感じた。

◆年間生産計画

水稲の育苗は、購入した山土を床土として使用する。以前はくん炭を混ぜたりしていたが、今は何も加えていない。
1週間ほど毎日水を替えながら浸水しておいた種子をは種し、覆土した育苗箱を庭先のコンクリート床にマルチを敷いて並べ、たっぷりと散水し、アルミ蒸着シートをベタがけして保温する。

<ほ場環境>
球磨盆地の東端にあたる標高200m、寒暖の差は激しいが霧は少ない地域で、水田は砂混じりの壌土、畑は火山灰土である。

<土づくり>
土作りに利用する堆肥は、発酵鶏糞と酪農家から入手した牛糞堆肥を自分の堆肥舎に持ち込んで、くん炭や消炭を混ぜて寝かせたものを利用している。
消炭は畑に穴を掘り、その中にブドウの剪定枝や2~3年経て古くなった竹支柱などを燃やし、炭になったころ土をかぶせて火を消して作る。

<施肥>
それぞれ植え付け前に、10a当たり油粕を150~200kg、堆肥を1t(ブドウには2t)程度入れている。

<育苗>
乾燥しないように管理し、2週間くらいでシートを除去する。本葉4枚くらいで田植えする。

<雑草対策>
雑草対策は、主にジャンボタニシ、一部に害虫対策と兼ねてアイガモを利用している。ジャンボタニシを使うため、田面を均平にする事を荒代掻きから植代掻きまで特に注意している。田植え後から活着するまで4~5日は、干すぐらいのつもりで水を落とす。乾く場合は走水程度に入れてまた落とす。活着を確認したら水を入れて湛水し、ジャンボタニシが動きやすくしてやる。
アイガモを利用しているのは80aで、早く入れるとどうしても稲に悪いので、田植え1ヶ月後ころに12~13羽/10a投入しているが、もう少し少なくてもよいと思っている。餌は、クズ米や麦、購入飼料を使っている。
最近はアシのような雑草が出始めているが、これとヒエは仕方ないので手取り除草もある程度は行う。

<病害虫対策>
アイガモを利用する水田80aは安心している。他の圃場では、全く被害がない訳ではないが、天敵が適当にいてウンカの被害は少ない。いもち病もほとんど問題にはならないと思っている。
鳥獣害も山手の畑に植えている柿が、猿の被害で収穫出来なかったが、米や麦等には今のところイノシシや鹿の被害もない。

<流通・販売>
湯前町MOA自然農法研究会で共同販売している。具体的には、研究会と販売先との間で、扱う農産物の数量と単価を契約し、収穫した農産物はJAの倉庫に保管しておく。JAは、荷受けしたら生産者に仮渡し金を支給し、販売先からの出庫要請に基づいて運送会社を雇って配送し、代金決済を行い、すべての販売が終わった段階で、生産者に必要経費を差し引いた清算金を支払う。
他に消費者への直接販売や、直売所での販売もある。