レストランを経営しながら
ブルーベリーとハーブ等を有機で

自営のレストランを中心に、観光ブルーベリー園やハーブティーやハーブソースなど、有機栽培ハーブを使った加工品作りや販売にも力を入れている。また自園で作り続けている有機栽培米を「きよら米」と銘うち販売するなど、小国という地域での観光や町づくりを意識した農業経営をされている。

有機農業をはじめたきっかけ

高校卒業後就農する時に水田、畑をどう維持するか考え直販を始めようと思った。20年くらい前に特別栽培米が流通し始めた頃、「きよらの里」の町づくりがスタートした。それを機に、きよらかな無農薬の作物を作ろうということで、地域の仲間と数人で無農薬の稲作から始めた。山の中、市場にも遠い地域で生き残っていくにはどうしたらいいか、試行錯誤の中でりんごを植えたが、栽培が難しいのと、台風などの被害であまり上手くいかなかった。ブルーベリーは最初、試験的に植えたが、農薬がいらない、作物として強いという理由で拡大していった。有機農業を実践していく中で、色々な人との出会いがあり、その人達の様々な農法、技術を取り入れて自分で実践し、技術として培っていった。

<栽培品目>

・水稲2.2ha
品種:アキゲシキ モチ米10a
・ブルーベリー45a
品種:ラビットアイ系(ブルーベリーには主にラビットアイ系とハイブッシュ系とがあるが、ハイブッシュ系は収穫時期が梅雨と重なるため、観光農園をしている梅木さんはラビットアイ系を選択している)
・ハーブ45a
昨目:カモミール、レモングラス、レモンバーム、ミント、セージ、ラベンダー
・イタリアントマト10a
(雨よけハウス)

<ほ場環境>
標高:530~550m、土質:火山灰土壌

<土づくり>
水稲にのみ、発酵鶏糞(枯草菌で発酵させてあるもの)200kg/10aを投入。
他の作物には堆肥は入れない。

<施肥>
・水稲
有機配合肥料(6-6-6)20~40kg/10aを(生育を見ながら施肥)
・ブルーベリー
自家製ぼかし肥料:くず米と米ぬかを混ぜEM菌を入れて発酵させ作ったぼかし20~30kg/10a。
くず大豆:(納豆の原料の残り)スコップ2杯/本。その時安く手に入った資材を使っている。施肥時期は3月と10月に1回ずつ。
・ハーブ
肥料はほとんどやらない。ハーブは窒素分が多いと大きくはなるが、香りが薄くなる。やるとすれば、窒素分が低いぼかし堆肥や落ち葉の堆肥などが良い。
・イタリアントマト
自家製ぼかし100kg/2a
アミハート(デンプンを納豆菌の仲間で核酸発酵させた液体を原料とした液体肥料) 三段目の花が付いてから1リットルを500倍希釈して10aに散布。
カイガラ石灰60kg/2a

<種>
水稲は自家採種をすると、草の種が混じったり、ばか苗病が出るので、生育の良いものから、半分だけ自家採種をしている。掛け干しが良いが小国は雨が多いことや台風などで難しいので、乾燥機で16%まで乾燥させて冷蔵庫で保管する。乾燥させすぎないようにするのがポイント。

<苗>
水稲
ポット苗を苗箱枚数50枚/10a
用土:90%(ガスバーナーで焼いた水田の土)、10%(くん炭、カイガラ石灰、ゼオライト)、えひめAIかEM菌20リットルを混合して用土として使用。
育苗中、にえひめAIとタケノコで作った酵素を入れてかん水する。

ブルーベリー、ハーブ、イタリアントマトの苗は購入してる。

<雑草対策>
・水稲:田植え後10~14日後に田押車で除草。年1回。
・ブルーベリー:木材チップマルチ、草刈機
・ハーブ:マルチ、手取り、草刈機

<病害虫対策>
・水稲: 何もしないがそれほど大きな被害はない。いもち病が出た場合は食酢を50倍で散布する。
・ブルーベリー:みの虫が大量発生する時は手取りする。シンクイ虫が発生することがあるが新しい芽が伸びる方が早いので被害は少ない。病気はほとんどない。
・ハーブ:虫は来るが放っておく。葉が混み合わないように剪定する。
・イタリアントマト:食酢50倍を葉面散布する。

<流通・販売>
・水稲:きよら米会員 30名ほど  病院、施設など
・ブルーベリー:主は観光農園での提供、その他は物産館、自営レストランなどで販売。また、加工品(ハーブソース)にする。
・ハーブ:ハーブソルト、ハーブソース、ハーブティーなどの加工品にし、自営レストラン、直売所などで販売している。
・イタリアントマト:自家レストランの食材、ハーブソース、ピューレにし直売所で販売。
・どぶろく:阿蘇群内はどぶろく特区になっているので自家米でどぶろくを作り販売している。

レストランを経営していることが販路開拓になっている。レストラン、観光農園のお客さんが会員になることが多い。