2/29 総会での講演
山里からボンジュール
池崎一郎氏熊有研総会の前に開かれた講演会に約五八名が参加。料理研究家池崎氏の話に耳を傾けた。
ボジョレーにいてなぜボジョレー以外のワインを飲む必要があるのかい?
フランス人は土地や土地が生む農産物に対して特別の愛着を持っているという。生産者だけでなく、そこの住人がその土地を愛し、「地元にあるものがいいものだ」と考え大切に食べる。その地元意識は昔からフランス人に根付いているものだというが、食糧自給において自立した国を支えている根本かもしれない。世界中から美味しいものを取り寄せて食べているといわれる日本人はどうだろう。四〇%という寂しい自給率を前に、食べ物や土地に対するプライドが問われているように感じた。
教育費を気にしなければ、有機農業という人生を楽しめる
蘇陽町に移り住み家庭菜園をはじめた 池崎氏は、日本の教育費の高さがいろいろなしがらみを生み出していることを指摘。「フランスでは教育費が安く、子供が増えるほど補助金が増える仕組みで、親は安心して子供を育てられるんですよ。」確かに高額な教育費を考えなくてよければ、有機農業で生活する上での不安が減ることだろう。「教育のシステムが子供を育てることを阻害している、こういうシステムをなんとか変えていきたい」と池崎氏。会場の子育てする親からも、同意の声があがった。
(藤川記)