大果でおいしいブルーベリー
九州東海大農学部の学生がサークル活動の一環で、週末ボランティアとして収穫やマルチングの手伝いをしてくれたのがきっかけで有機に転換されたそうです。
ボカシ肥料づくりに力を入れ、有機質マルチは30cm以上、ビニールをはるのは梅雨時のみ、といった具合に、力を入れる所には徹底して力を入れて、効率的にやるという実践には感心することばかりでした。
調査に協力していただいたのが8月末だったので、実際に果実を目にすることができなかったのが残念でしたが、500円大のブルーベリーは、まさにその徹底した実践ぶりの成果なのでしょう。どこかで木實さんのブルーベリーを目にするのを楽しみにしています。
<ほ場環境>
標高700mで土質は黒ボク土。
<土づくり>
【水稲のほ場】
・堆肥を入れる年がある(毎年ではない)。堆肥は、熊本市のリサイクル業者・熊本清掃社が作る食品残さを醗酵させたもの。
・緑肥(イタリアン)鋤き込み。
【ブルーベリー】
充分なマルチングと自家製ボカシ肥に力を入れている。
<施肥>
ボカシ肥料作りに力を入れている。
ボカシ肥料2tの材料:米ぬか1t、ダイズ400kg(粉状にしたもの)、魚粉300kg、油粕200kg、骨粉100kg。※この材料の中で購入するのは米ぬかと油粕。
8~11月の4か月間で作り、この間は可能な限り毎日切り返すのがポイント。温度が30℃くらいまで下がったら、水を加えるようにする。水を加えることで再び温度が上がるので、4か月間で3~4回水を加えることになる。
ブルーベリー(20a)に1,400kg施用、イネ(20a)に600kg施用。
<種>
ブルーベリーは少量ではあるが、良い品種を残すために自家採苗をしている。
<雑草対策>
・ブルーベリーの圃場では有機質マルチを徹底している。刈り草や剪定した枝葉、間伐材(スギ、ヒノキなど)を細かくしたものを30cm以上の厚さに敷き詰める。
<病害虫対策>
イネ…イノシシ対策のため電気柵を設置。
ブルーベリー…イタチ、スズメ、ヒヨドリの害あり。防鳥網を使用。
ブルーベリーはハウス栽培で、病害虫対策(とくにショウジョウバエ)として防虫ネットなどの被覆資材を使用。
※ハウス栽培は雨よけ栽培に近い形で、梅雨時のみビニールをはる。
<流通・販売>
ケーキ屋さんどうしのネットワークとつながることができ、徐々に販路が拡がっていった。九州内のケーキ屋さんに約6割出荷している。インターネットによる販売で約2割、選別して粒の小さいものをJAへ出荷(約2割)するようにしている。
粒の大きさが売りで、500円サイズの「大果でおいしいブルーベリー」として消費者には喜んでもらっている。