熊本地震復興支援
これからも続く復興への道
大きな組織に属していないことが多い有機農家は、各種調査・支援から漏れてしまう可能性があります。農業の停滞は地域経済にも直結します。 “全国トップクラスの歴史と規模”を誇る熊本の有機農業が、地震によって大きな痛手を受けてしまいましたが、熊有研では今後も、手探りながらできる限りの支援を行っていきます。
支援基金の設置
熊本地震発生直後から、各地の有機農業団体や個人の皆さまが支援金や、各種イベントでの募金活動で支えてくださっています。支援金の総額は、約340万円に達しています(2018年6月現在)。
パネルディスカッションなどの開催
オーガニックの祭典「ゆうきフェスタ2016」では、「復興」と「食はいのち」をテーマに開催しました。中越地震で復興の道を歩んできた人々に学びながら、熊本の有機農業の復興の道を探るパネルディスカッションや、炊き出しの再現企画などを実施。「ゆうきフェスタ2017」では、山都町・白糸台地での取り組みについてのパネルディスカッションを実施しました。 2017年11月と2018年3月に開催した「安部司氏講演会」では、被災された生産者等をゲストに迎え、農産物や加工品の販売や紹介を行いました。 2018年5月にも、熊有研総会同時企画として復興の現状を知る企画を開催しました。
青年部「つるの恩返し大作戦」
熊本県有機農業研究会の部会の一つである青年部が、「つるの恩返し大作戦」と銘打って、被災された、もしくは農作業に著しい影響を受けた有機農業関係者へ、農作業支援のボランティアを組織しました。依頼のあった有機農家へ数名のチームで向かい、遅れてしまった農作業を取り戻すのに大きな力を発揮しました。
2016年度の支援活動
1.アンケートを460通発送
県内の、水、電気、ガスというライフラインのほぼ全てが途絶えたなかで、皆さんの被災状況を把握するため、熊本県有機農業研究会の会員にアンケートを460通発送しました。アンケートが返ってきたのは124名。郵便も届かない人や、熊有研会員外の有機農業関係者には事務局から連絡をとり、被害状況の把握に務めました。
2.見舞金の配布
全国の皆様から預かった支援金は、まず被災状況を把握できた方に行き届くように配付しました。2016年8月には主に個人の方に、10月には団体に見舞金として配布しました。
3.アレルギー対応の食べ物が届くよう手配
地震直後は、事務所に多くの支援物資が届けられました。特に、アレルギー対応の食べ物や有機農法で作られたお米や芋、水等も届けられました。それらを炊き出しの現場に届けつつ、炊き出しで配られる食事がアレルギーのため食べられない方々に向けて、アレルギー対応の食べ物が届くよう手配しました。
4.スペースの開放
50台以上駐車可能な熊有研事務所の駐車場と事務所のオープンスペースを、被災地復興に参加するボランティアに開放しました。駐車場にはボランティア滞在用のテントが設置され、オープンスペースでも熊本の有機農業支援につながる活動が行われました。
5.有機農産物を必要とする人たちへ
炊き出しが始まって1ヶ月ほどで、ボランティアによる炊き出しは食中毒発生のため禁止となりました。毎日コンビニ弁当で健康を害する人もでることを懸念し、有機野菜たっぷりのスープを届ける動き等に協力するため、有機農産物を必要とする人たちに届ける情報の窓口として活動しました。
6.福岡・天神での有機農業支援マルシェ(2016.07.10)への参加
地震の後、早い段階で九州・山口有機農業世話人会による会議がもたれ、九州・山口の有機農業団体が協力して、福岡・天神でマルシェが開催されました。 当日は、熊本からは有機野菜・加工品等12ブースが出展。熊有研としても1ブース出展し、被害状況・支援活動の展示と、研修生減少が心配される新規就農の相談コーナーも設けました。ステージでは、被災された有機農家に話を聞き、熊本の現状と未来を共有しようという企画が実現しました。