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趣旨 〜 私たちの菜の花プロジェクト 〜 |
農業はもともと資源を無駄づかいしないで、循環させながら農産物を作ってきました。野菜を収穫した時に残った葉っぱやわらは家畜の餌になったり、土に戻され養分となります。家畜は穀物や牧草を食べて育ち、肉や卵などを生み出します。家畜のフンは堆肥となって土に戻ります。
「私達の菜の花プロジェクト」は菜の花を中心に、資源を無駄づかいしない循環型の農業をやりながら 菜種油を資源としてBDF(バイオディーゼル)という地球環境に優しい燃料を作るという新しい循環も加えて、都市住民とつながる色々の輪を作ろうというプロジェクトです。小さな多様な循環の輪が各地にでき、食料とエネルギーの自給率をあげていくような大きな地域循環になればと願っています。
例えば
- 菜の花を植え、すき込んで肥料とし、お米をつくる土の循環。
- 都会に住む人々が、黄色く咲き乱れる菜の花を見に田舎に訪れ、その地域で作られた農産物を食卓にのせる田舎と都市の輪。
- 菜種を収穫し、地域の製油所で油をしぼる。油のしぼり粕は良質の堆肥ととして畑に返され、次の作物に力を与える資源の循環。
- 地域で自給される餌として、農家で飼われる牛や、ニワトリに与えられ、牛乳や卵が消費者に届く地域自給の輪。
- 菜種油は本物の国産菜種油として消費者や学校給食で使われ、国産の農産物を応援する国内自給の輪。
- 家庭や学校給食で使われた廃食油は回収され、地球環境に優しい、CO2ゼロカウントのBDF(バイオディーゼル)を作るという、ゴミが資源となる地域循環。
- そして、BDFはトラクターなどの農業機械やディーゼル車で使われ、環境に優しい行動でつながる人の輪。
など、色々の輪と循環が可能です。
とはいっても今はまだ、ある地域では菜の花を栽培した後すきこんで肥料にしている、ある会社はBDFだけを作っている、という感じで、まだその循環の輪はつながっていないかもしれません。また、菜種栽培のコストの問題、菜種の販売はルートの開拓から始まるということ、油をしぼってくれる会社が地域に少ししかのこっていない現状、BDF製造をする所が少なくBDFが手に入りにくいという問題、現在のBDFの不安定さ、廃食油回収の方法やコストの問題などなど、課題は山積みです。それでも、熊本をひとつの地域としてみれば、輪らしきものが見えてきます。その輪を農村と地域住民とのつながりの中で耕していきましょう。きっと大きな輪ができるはずです。
本来、農業は水や空気を作りだし、生き物のすみかを提供し、美しい景観をつくりだすなど、農産物をつくるだけではなく、多面的機能をもっています。転作畑に植えられた一面に咲き乱れる菜の花を見に来た街に住む人々が、そのような農業の多面的機能に気づき、農村を大事に思ってくれるだけでも、すばらしい一つの輪ができたと言えるのではないでしょうか。
菜の花とBDFでつくる「資源と命」の循環で人の輪を作り、農業も元気になりましょう。
(間澄子・記)
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