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菜の花プロジェクト
BDFユーザー情報
 BDFユーザーはそのほとんどが製造機を設置した会社の自社消費分か、自治体の作業車などのようです。個人消費はBDFを手に入れることのできる場所が少ないこともあり、まだまだ広がっていないようです。品質の法的規制もつくられましたが、使用は自己責任となります。

2006年からBDFを使い続けて

有機無農薬野菜の「百草園」 間 司(はざまつかさ)
〒861-0104  熊本県熊本市植木町1140-1
info@hyakusouen.jp
Tel /Fax 096-273-1917
http://hyakusouen.jp/
百草園トラクター
BDFの入手
 菜の花プロジェクトに関わるようになってから、我が家のトラクターでBDFを使うようになりました。100パーセントBDFで使うためにトラクターだけで使い続けています。問題は安定した供給体制です。最初の頃は、熊本市内のヒノクニ石油さんのガソリンスタンドで販売されていたので、野菜配達や、熊有研の会議で市内まで出かけたおりに買っていました。集めた廃食油も引き取ってもらうようになり、いいサイクルで利用できていました。ところがイラク危機に伴う石油高騰のあおりを食って、ヒノクニ石油がガソリンスタンドを整理することになり、入手できなくなりました。その後、相談したら200リットルまとまれば配達してくれることになって、ドラム缶を準備してしばらくはその体制で入手していましたが、なかなか安定的に入手するのは難しいのが悩みでした。その頃偶然、同じ植木町内の宝建設が自家利用でBDFを製造しはじめたことがわかり、廃油の引き取りとバーターでBDFを分けてもらうことができるようになりました。やっと、安定的に入手できるようになり助かっています。

BDFの使い勝手
 順調な状態では通常のディーゼル燃料と遜色ない使い心地ですが、まだBDFはその性質の特徴と精製上の品質でばらつきがでることがあり、そのためにいくつかのトラブルに遭遇しました。

1、燃料づまり
 生成過程で鹸化した成分が十分に除去できていない場合、燃料クリーナーが詰まって流れなくなります。するとガス欠状態になってエンストします。燃料クリーナーを洗浄するか新しく交換し、エア抜きをして再可動ということになります。対策として私は常に燃料クリーナーのスペアを備えておきました。

2、燃料づまりその2、BDFの持つ洗浄効果
 超旧式のトラクタをもらったのでトレーラーとして使いました。ところが燃料タンクの内部がオリで汚れまくっていたようで、BDFを使ったところ、その洗浄効果で一気にオリがはがれたらしく、燃料クリーナーどころか燃料パイプそのものが詰まってしまいました。その後もタンクのオリは出続けたので、さすがにこの機械では使用を断念

3、燃料パイプの破損
 BDF使用4代目のトラクタ(クボタ)は新型ですが初めてのトラブルに遭遇しました。耕耘中に燃料漏れが起きました。原因はゴム製の燃料パイプに穴が開いてしまったのです。ゴムを膨軟化させてしまうので燃料パイプが破損してしまうことがあるということです。ホームセンターでプラスチックホースを買ってきて取り替えました。クボタの担当サービスに耐性を持ったホースを頼みましたが進展なし。自分で探すしかなさそうです。

 いろいろありますが、今後も工夫を重ねて使い続けたいと思います。一町歩くらい菜種を作付けそのバージンオイルで文字どおりの燃料自給を実現したい。それが夢です!

廃食油 WVO(Waste Vegetable Oil)の自動車への直接利用インタビュー

匿名希望
 10年前にヘンプオイルで北海道から九州までディーゼル車で旅をしていた方と出会い、そこで様々なアイデアを得たが実践し始めたのはつい最近から。はじめはBDFを使用しようと考えたが、直接廃食油を入れてみてはどうだろうと思い濾して入れてみた。エンジンはかかった。以下にはきっかけ、私の経験から考えられるメリット、デメリットそしてアドバイスを簡単ではあるが記した。

1. 使い始めたきっかけ
  • 環境負荷を減らす
  • カーボンニュートラル
  • 石油に左右されない生活の実現(健康)
  • 以前に挑戦した人がいない
2. 天ぷら油使用のメリット
  • 家計の助け
     廃食油を分けてもらうなら燃料費は限りなく0に近くなる
  • 日本国内で燃料生産
     休耕田利用。輸入国から生産国へ
  • 農家による生産
     菜種油などの生産
  • 害虫の被害軽減(副次的効果)
     農産物生産畑から油生産畑へ害虫拡散の期待
3. 天ぷら油使用のデメリット(問題)&アドバイス(解決方法)
  • 燃料フィルター
     車のフィルター(6ミクロン)からトラクター用のフィルター(20から30ミクロン)に取り替える
  • 冬期のエンジンスタート
     BDFを約5%混入させ、燃料の凝固点を下げる(約0℃)
  • 植物油の粘りによる故障
     特に中古車に用いる場合、燃料タンクに残された不純物がWVO(廃食油)に粘着し、ポンプやパッキンがつまり圧力がかかり壊れる(オイル漏れなど)。しかしタンクは徐々にきれいになり、問題はなくなる。
  • 廃食油の品質の不安定さ
     酸化しきった廃食油(白色化、ヨーグルトの匂い)は使用しない
 上に記したように様々な問題は出てきます。しかしそれを不便ととるか楽しみととれるかは自分次第。私もはじめは悪戦苦闘しましたが、今使用している車はもう1万キロ以上ノントラブルで使用しています。使い始め、しょっちゅうフィルターを洗っていた頃が懐かしいです。私の経験がWVOの仕様を考えられている方々に少しでもお役に立てば幸いです。

3年前から使っています

エコパートナーくまもと よかエネ部会 福田 精二
ホームページ
 BDFとの出会いは約3年前です。以前から食とエネルギーの自給に興味があり、具体的な行動のひとつとして知人と共同で小さな農園を運営していましたが、たまたま有機農業ハンドブック(有機農業研究会編)を読んでいてトラクターをBDFで動かすという一文を見つけました。化石燃料をできるだけ使わないように、日常愛用している古いディーゼルエンジンの耕耘機をBDFで動かそうと思ったわけです。インターネットで佐賀県のある廃棄物業者さんを見つけ出し、頼み込んで宅急便で送ってもらったことをなつかしく思い出します。その後車も中古のライトバンのディーゼル車に買い換えて、BDF100%で気分よく乗り回しています。

BDFを子供達と学んで

フリースクール地球子屋 国武信子 熊本市国府1-23-3
TEL/FAX096-363-7633 ホームページ
国武さんBDF車の写真 ▼BDFに出会ったきっかけ
 現在フリースクールのスタッフをしています。スクールの特別講師に農業ゼミでお世話になっている有機農業をされているお百姓さんが居られます。その方が、アメリカの子どもの教育プログラムサイトの中から、BDFの作り方を紹介してくださいました。有機農業を生業とされている方々は、生き様そのものが、自然と共に生きることはどういうことなのかを子どもたちに伝えてくださいます。BDFはそんな出会いの一つでした。
▼BDFを使ってみて
 BDFで車を走らせるにあたっては、先輩使用者に色々と教えていただきました。 まずはリスク何か?
・車を手に入れるには?
・燃料は安定的に手に入るか?
・車のメンテナンスは?
・車検証の書き換えは?
 すべてが何の問題もなく簡単にクリアーできることばかり、リスクよりも得るものの方が大きいと思いました。毎日長距離ガソリン車を走らせていた私としては、CO2ゼロカウントで車を使用できることが、とてもうれしいことでしたし、たまたま原油高騰で軽油よりも安く手に入ることも出来ました。また日ごろ農機具に軽油を使っているお百姓さんたちにも、利用の輪が広まっていると聞きとてもうれしく思います。
 私自身が使用する立場になることが出来たため、環境問題は自分の生活の中で、たとえば何かを買おうとする時に何を基準に選択するかによって大きく変わってくるということを、身をもって子どもたちに示すことが出来たと思います。
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